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ES「日本政治史」#1

中村菊男先生の「日本政治史」のテキストに頭を悩ませていたので、ということではないのですが、折角のスクーリングなので、受講してみた日本政治史。
慶應の非常勤講師をされている小田義幸先生。玉井清先生のお弟子さんのようです。

のっけから、「歴史学とは科学である」から入って、歴史=暗記、という皆の頭をシャッフルした感じでした。

大学院での研究が、メディア制度からメディア史に流れていった都合、先生が言われている、歴史を科学するということに全く違和感がなく、史料を丹念に読み込んで検証していく、ということは十分理解できました。

そして、今まで感覚的にやってきたことの理論の裏付けができそうでちょっと嬉しくなってきたのと、昔書いたヤツがちゃんとそうなっているのか?ということを検証したくなってきました。

この講義では明治の元老から戦中・戦後の直ぐあたりまでの講義するとのことで、これは配本のテキストと同じぐらいの範囲ですね。

今日のテーマは、大学で学ぶ「歴史」・「政治史」とはを切り口に、

1.歴史学とは「科学」である
①一般社会や歴史がの世界で常識や通説となっている事柄に疑いの目をもつ
②因果関係や事実関係を明らかにする
→史料での裏付け、史料批判をすること
③自分なりの解釈を示す

2.歴史に対する批判的解釈の仕方を学ぶ
①結果からの演繹的説明に陥りやすい
②当時の時代状況を無視して、今の価値基準を持ち出して歴史を批評してはならない
③「イデオロギー史観」が、歴史会社の幅を狭めてしまいう
④被害者意識が歴史の見方をゆがめる
⑤勝者が自らの都合のよいように歴史を書きかえる
⑥歴史的事実は、あくまで現存する史料によって裏付けられているに過ぎない

と批判的解釈のためのポイントを述べ

3.授業で学ぶ「日本政治史」とは?
北岡「近代日本の政治権力に関する歴史的分析」
坂元「政治権力の獲得や講師に焦点をあてた近代日本史」を紹介して、
①国家の権力が強大 →その時の権力が国家・国民の運命を左右する
②近代日本の命運を左右する事柄に政治史なら対応できる

だから「日本政治史」を研究することに意味があるとまとめた。

冒頭で参考図書の紹介をしていたので、ついつい北岡先生の「日本政治史」をポチリと購入してしましました。「もう一度読む山川近現代史」も同じく参考図書に上がっていたのですが、テキスト「日本政治史」に対応するためには、引用図書として使えそうな、こちらかな(^^)


【目次】
第1章 幕藩体制の政治的特質
増補版です。
第2章 西洋の衝撃への対応
第3章 明治国家の建設
第4章 政府批判の噴出
第5章 明治憲法体制の成立
第6章 議会政治の定着
第7章 日清・日露戦争
第8章 帝国の膨張
第9章 政党政治の発展
第10章 国際協調と政党内閣
第11章 軍部の台頭
第12章 帝国の崩壊
第13章 敗戦・占領・講和
ーー配本テキストはこの辺りーー
第14章 自民党政治の発展
第15章 国際秩序の変容と冷戦の終焉
補 章 植民地とその後

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