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茂木さんの考える“テレビの未来”

茂木健一郎さんの考える"テレビの未来"

@kenichiromogi 2012/01/09 07:32:01
てみ(1)機会があって、昔のテレビ番組(『クイズタイムショック』、『ぴったしカン・カン』)を見ていたら、本当に懐かしく、あの頃はテレビが面白かったし、好きだったんだなあと改めて思った。司会の久米宏さんや、田宮二郎さんが輝いている。もう、神話の世界である。
てみ(2)テレビが、テロップを多用したり、SEやキャプションを詰め込む傾向になったのは、編集技術の進化や、いつチャンネルを変えられるかわからないという視聴環境の影響もあるのだろうけれども、改めて昔のテレビを見ると、のんびりと落ち着いていて、そのリズムがかえって心地よい。
てみ(3)もう一つ重大な違いがある。それは、一般視聴者(素人)の参加が目立つこと。クイズ・タイムショックの回答者は一般の人たちが中心だし、ぴったしカン・カンは、萩本欽一さんと坂上二郎さんが、それぞれ芸能人と一般人のチームを率いるというフォーマットだった。
てみ(4)いわゆる「素人参加番組」がほとんど見られなくなったというのが、最近の日本のテレビの顕著な特徴である。アメリカやヨーロッパでは、むしろ一般の人が参加するreality tvが中心なのに、日本ではほとんどない。結果として、画面の中はタレントの人の順列組み合わせになる。
てみ(5)制作者の話を聞くと、素人参加番組が減った理由は、権利処理などの難しさにも一因があるのだという。タレントだと、事務所もあるし、さまざまな処理が簡単なのだという。結果として、テレビが「身内」のものになってしまっている。タレントどうしの内輪トークがその典型だろう。
てみ(6)テレビを見ているのは一般の人たちなのに、そこに一般の人たちが出ないのは、どう考えてもおかしい。制作者側も、いろいろ難しさはあるのだろうけれど、一般視聴者も参加できる番組を、もっと作っていくのがいいのではないか。フォーマットの可能性はまだまだあるはずだ。
てみ(7)ネットの登場によって、テレビの地位低下が指摘されている。一方で、ツイッターのトレンドワードの多くがテレビ由来であることを見ても、未だ影響力は続いている。先日の『ラピュタ』の際の「バルス!」祭りを見ても、皆で同時に見るというテレビの強みは、決してなくなっていない。
てみ(8)サッカーの日本代表戦などは、生で見ないと意味がないし、ニコニコ生放送でも、映画の放映を増やしていくという。みなで一緒に見て、「弾幕」で盛り上がるという新しい「テレビ」の体験が出現する。YouTubeも、独自の番組を製作し始めると聞く。
てみ(9)今の日本の地上波テレビは、確かに独特の「雰囲気」(タレントの内輪空間)が支配しているが、歴史的に見ればそれがすべてではなく、未来においてもそれが続くとは限らない。テレビが重要なメディアであることはおそらく変わらないから、少しでも面白い番組が登場することを期待したい。
以上、「テレビの未来」についての連続ツイートでした。

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