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ひとことで言えないだろうな…

たままた見た「報道2001(5月31日)」テーマは年金問題で自民・民主の議員さんが出てお話をしていました。
その中で一番気になったのは、議員の言葉ではなく、黒岩キャスターが権丈善一(慶應大学商学部教授)に「一言で言ったら」と、権丈教授の論点をまとめてくれと巻くし立てていた所です。一方、権丈教授は「一言で言えるほど簡単ではない、論文を出しているのでそれを読んでくれ」と応戦。その押し問答がなによりも、おもしろかった。テレビはCMを出さないといけないので、この手の番組はこのように巻くし立てることが多いですよね。
ワンフレーズ・ポリティクスが唱えられて久しいです。
難しいことを簡単にいう能力は大切ですが、年金問題は一言で言える程簡単ではないでしょう。黒岩さんのこの姿勢にはちょっと驚きでした。ですが、これが今の商業的報道番組なんでしょう。
では、、権丈教授の「論文を読んでくれ!」発言に対して、どれだけの方が、氏のHPから論文をダウンロードして読んだのかどうかは不明です。それはそれで、不親切だという意見がありますが、先生は事前にこういうつもりで、論文(と言っても雑誌への寄稿の切り抜き)を前日にUPしていたようです。そこで、少し読んでみました(「安心なさい、年金は破綻しない」『文藝春秋』新春特大号(2008年12月10日))。
年金についてはまったく知識がないので、これを読んじゃうと、これが正しいのではないか、と思ってしまうので、その事については言及しませんが、権丈教授は最後をこのようにまとめていました。
日本人が老後不安を本当に緩和したいと願うのであれば、教育投資に力をいれ、一人当たり賃金の上昇による経済成長を達成し、少子化を克服して被保険者数が伸びる政策を積極的に展開させるのが正しい努力の仕方なのである。
権丈教授がテレビの中で「年金問題は他の問題(教育、少子化、雇用)に比べればまだましである」というようなニュアンスで語っていたのを思い出した。これと一致するんだ!
確かに年金、年金と自分の老後の事を考えるよりも、今の自分たちと、自分たちの子供の未来について考える方が大切かなと思うのでした。
では、それに対しての権丈教授のソリューションは!?というときっと専門外なんでしょうね。
良い日本になるために、良質なアンカーがいる報道番組が必要だと思いました。

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