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研究に年齢は関係ない

71歳理学博士が誕生、姫路の金子さん
 ◇定年後に大阪大で研究
 元エンジニアで、定年退職後に大阪大で数学を研究してきた兵庫県姫路市の金子和雄さん(71)が23日、難解な微分方程式に挑んだ成果が認められ、理学博士号を授与された。午後から同大学で行われた授与式では、情報科学研究科の代表を務めた。金子さんは「まるで問題の魅力に吸い込まれるようだった」と感慨深げに話している。
 金子さんは大阪大工学部卒。機械工学の修士号を取得後、三菱重工業などで37年間、蒸気タービンの設計・製造技術者として活躍した。63歳で定年退職した後、学生時代から興味があった数学を「もう一度、じっくり勉強したい」と決意して理学部へ聴講に通い、2000年に学士編入した。
 卒業前、フランスの数学者が見つけてから1世紀近く解けないままという「パンルベ方程式」に出会い、本格的な研究のために大学院情報科学研究科に進学。六つの式のうち、三つの式に解のヒントとなる新しい関数式を発見し、高い評価を受けた。学位論文は「モノドロミ可解なパンルベ超越函数(かんすう)」。
 休日も惜しんで研究に励み、国内外の研究会にも積極的に参加。孫ほど年の離れた院生らともうち解けた。指導教官の大山陽介助教授(44)は「山積みの難題も、一つずつ結び目をほぐすような地道な努力を続け、大いに刺激を受けた」と感服する。
 「必死でやっている間、ほかに何もいらないほど楽しい」と金子さん。今後も研究生などとして研究を続けるという。
(2007年3月23日 読売新聞)


岡山で見た朝日新聞で知りました。「すごい」の言葉しかでませんね。自分ももっと頑張らなければと、そして、あまり焦らず、着実に研究していきたいなと感じました。

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