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誰のための記事か?

記者は誰に向けてメッセージを出すのか、そしてそのメッセージを受けた人々はどう反応するのか?

自由報道協会などが既存のメディアの記者に対して批判的な意見を浴びせる一方で、既存メディアの記者達も彼らなりに、きちんと記事を精査して既存メディアなりの表現のあり方を探ってきたと思う。

何でもありのままを提示しようとする、する事を要望する自由報道協会の姿勢に対して、既存メディアの人たちは、ある程度それらをコントロールすることで社としての言論の色を出していたと思うし、情報の取捨選択を受けてが行う手間を省くという役割をになっていた。(この事に異論があるのは知っているし、それが良いとか悪いとかいう議論をここでする気はない)

しかし、一方で大衆に迎合したスキャンダラスな事件や、世論を誘導(大半がミスリーディング)するような記事が多い(つまりは、視聴率がとれるとか、部数が出るとかいったもの)、それが自由報道協会に叩かれる一つであったのも間違いないだろう。

そして、それらはユーザがいたというのも事実。

だが、今回の以下の記事を読んで全く悲しくなった。


 政府の代表として宮城県を訪れた東祥三内閣府副大臣(防災担当)が12日朝、上空からヘリで被災地を視察した際、居眠りをしていたとして、同乗した同県関係者から「眼下で多くの県民の命が失われているのに、どういうつもりか」と怒りの声が上がっている。
 11日夜に宮城県入りした東副大臣は12日午前7時、仙台市の陸上自衛隊基地からヘリコプターに乗り込み、宮城県亘理町から岩手県釜石市まで2時間半にわたって三陸沿岸部を視察した。宮城県の村井嘉浩知事や市村浩一郎国土交通政務官を含む約20人も同乗した。宮城県関係者によると、上空から見た沿岸地域はほとんどの民家が流され、「どの場所も口では言い表せない惨状だった」にもかかわらず、東副大臣は顔をうつむかせ寝ていたという。
 読売新聞の取材に対し、東副大臣は「熟睡したわけではない。座った時にうとうとした」と眠っていたことを認めた上で、「あってはならないが、地震発生後から睡眠をとっていないという事情もある」と釈明した。
(2011年3月13日09時06分 読売新聞)


この記事は一体誰に対してのメッセージなのだろうか?関係者の怒りの代弁か?
だとしたら、ヘリコプターにのった数十人の言葉しか代弁していない?

東さんを擁護するわけでもなく、民主党政権がすきなわけでも無い。

ただ、この記事の受け手がどう思うことを考えて記事を書いたのか見えない。

東副大臣を出し抜いてさぞ良い気分だろうか?

最初から寝てやろうなんて思ったわけではないでしょう。人間だもの、眠くもなるよ。24時間寝てなきゃ、相当でしょう。

確かに、被害に遭ってる人は寝られないかも知れない。生き埋めの方達は寝たら死んじゃうかもしなれい。

だけどって、それを今救援に来ている人に求めちゃ駄目だよ。

そして、それを記事にして面白がっている新聞記者なんて最低だよ。

東さん「お疲れですね。頑張って下さいよ」と声を掛けるぐらいの関係が築けないかな。

最後に必要なのは“常識”なんだと思う。

これを記事にするか、しないか、常識的に考えてみて欲しい。

私は間違っていると思う。

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